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次々と明らかになるグルコサミンの力 菅原忍 著 文庫サイズ・48頁 まえがき ?? 肌のシワやたるみも改善、血栓症の予防にもグルコサミン 整形外科医として、これまでたくさんの患者さんに接してきました。 そのうちかなりの方が関節の痛み、中でも膝の痛みを訴えておられます。 膝の関節は、他の関節に比べ体重がかかりやすく負担が大きいので、病気を発症しがちな部位といえます。 こうした膝の痛みは、「変形性関節症」によるものがほとんどです。 変形性関節症とは、関節の内部でクッションの役割をしている軟骨がすり減ってしまうことにより、骨と骨とが直接こすれ合うために炎症が起き、痛みが生じたり水がたまったりする関節炎のことです。 膝以外でも、指やひじ、腰や股などといった関節で起きます。 早い人だと三、四〇代で発症することもあります。 人間が健康的に暮らしていけるために基本となるのは、やはり日常の何げない動作、たとえば横になったり座ったり、立ち上がったり歩いたり、などが支障なく行なえることではないでしょうか。 何らかの原因でこういった基本的な動作が困難な状態が長く続くとすれば、生活の上で不自由なばかりでなく、時として他の重大な病気を誘発する場合もあるからです。 そうした意味においても、その症状が悪化すれば関節が変形し、遂には歩行困難となるケースもあり得る変形性関節症は、たかが関節の痛みと軽視しては危険な病気なのです。 変形性関節症の治療法としては現在、痛み止めの服用や理学療法、外科手術などがあります。 しかし、いずれも一時の症状を軽減する対症療法というのが実状です。 こうした状況のもと、変形性関節症改善の切り札として大きな注目を浴びているのが、本書でご紹介するグルコサミンです。 グルコサミンは、私たち人間や動物の体内で合成されている天然の成分ですが、工業的には、エビやカニなどの甲殻類の殻に含まれているキチンを原料として製造されています。 飲むだけで、すり減った関節そのものを改善するという画期的な効能をもつグルコサミンは、ヨーロッパにおいては医薬品として以前から変形性関節症の治療に使用されてきましたが、どういうわけか、わが国では、ほとんどその名は知られていませんでした。 グルコサミンの本格的な研究・開発がわが国で始まったのは、数年前のことです。 私がグルコサミンを初めて知ったのは、平成九年のことです。 当時、勤務していた順天堂大学付属病院で行なわれた臨床試験に参加したことが、きっかけでした。 この臨床試験では、外来の患者さんに協力していただき、八週間にわたりグルコサミンを飲んでもらいました。 グルコサミンの効果について、最初のうちはかなり懐疑的な私でしたが、試験の終了後にたくさんの患者さんから「良くなってきているので、グルコサミンを飲み続けたい」との、予想外のご要望があり、その効果の大きさを確信するようになりました。 その後、開院した現在の医院において、主に自分用につくったオリジナルのグルコサミンと理学療法との併用により治療にあたっています。 患者さんからは、調子がよくなったと好評を得ています。 とはいっても、もちろんグルコサミンは万能薬ではありませんから、効果の出方にも個人差がありますし、これだけを飲んでいれば病気が治るというわけでもありません。 医師の治療をきちんと受けながら、グルコサミンを併用するのがベストでしょう。 また、最近の研究により、グルコサミンは変形性関節症を改善するだけでなく、シワやたるみといった肌の衰えや、さらには血栓症などにも効果のあることが徐々に明らかになってきました。 今後、より研究が進めば、他にももっとたくさんのすぐれた効能が発見されることでしょう。 グルコサミンは、いま最も注目されているサプリメント(栄養補助食品)のひとつです。 こうしたグルコサミンのすばらしさを理解するうえで、本書が少しでもお役に立てるならば幸いです。 目 次 ?? 〈コラム〉膝の大きな負担になる肥満 第1章 今なぜグルコサミンなのか ・軟骨や皮膚に不可欠な物質 ・グルコサミンのもつ生理作用 ・医薬品としてのグルコサミン 第2章 膝や腰の痛みを和らげる ・関節の機能とグルコサミンの役目 ・「変形性膝関節症」改善の切り札 ・スポーツ障害を克服 第3章 血液がサラサラになる ・ドロドロ血液は血栓のもと ・血小板の過剰凝集を抑制する ・心筋梗塞や脳梗塞の予防に 第4章 老化を防ぎ、肌を若返らせる ・皮膚に必要な栄養素とは ・皮膚の老化現象を和らげる ・期待される美肌効果 第5章 こんなに元気に美しく ・グルコサミンの選び方と摂り方 ・体験者からの喜びの声 【ハート出版ふるさと文庫】膝の痛みを抑え、血液をサラサラにするグルコサミン
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