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一栄養素の域を超えた効用 西野輔翼 著 文庫サイズ・48頁 まえがき ?? 特性の合わせ技でガンや白内障・黄斑変性症に勝つ 日々の食卓に上る野菜や果物。 そのほとんどにカロチノイドは含まれています。 カロチノイドというと、ちょっと耳慣れない感じがするかも知れませんが、実は身近にあって、ほとんど毎日といってもいいくらいに、私たちは体に摂り入れているのです。 カロチノイドの代表選手といえば、β(ベータ)‐カロチンでしょう。 こちらのほうなら、ご存知の方も多いことと思います。 β‐カロチンはビタミンAの供給源としては最も効率の良いカロチノイドであることから、一時は、ブームとなるほどに脚光を浴びたものです。 しかし、そのブームも落ち着くと、β‐カロチン以外のカロチノイドへも関心が向けられるようになりました。 たとえば、α(アルファ)‐カロチンやルテイン、リコピン、アスタキサンチンといった、カロチノイドです。 私は、これらのカロチノイドについて研究や実験を積み重ねていくうちに、確かな手応えを感じるようになりました。 ひょっとしたら、β‐カロチン同様の、あるいはそれ以上の効能が期待できるのではないか、と。 そしてそれは、まさに現実のものとなりつつあります。 それぞれのカロチノイドの特性が明らかになるにつれて、単なる栄養素としてだけでは位置づけられないことがわかってきたのです。 依然として、日本人の死因のトップを行くガン。 それに続く脳卒中や心筋梗塞などの血管障害。 さらには糖尿病といった、いわば生活習慣病全般に対して、カロチノイドがさまざまな効力を発揮することが解明されてきたからです。 カロチノイドに関する研究は海外、とくにアメリカで積極的に行なわれてきました。 そのアメリカでいま、全国的に蔓延している疾病があります。 「黄斑変性症」といわれる眼病です。 六五歳以上の四人に一人が罹患しているといわれる、この眼病の原因については解明途上ですが、その予防や治療においてカロチノイドが切り札になるのではないかと目され、研究が続けられています。 黄斑変性症は、日本でも徐々に広がりを見せつつあります。 大きな社会問題となる日が遠からずやってくるかも知れません。 その予防のためにも、また、他の生活習慣病から身を守るためにも、カロチノイドの特性や機能、効能について、ぜひとも知っておいていただきたいと思います。 目 次 ?? 第1章 カロチノイドとは何か ・動植物に広く存在するカロチノイド ・β‐カロチンはなぜ注目されたのか ・改めて脚光を浴びることになった理由 第2章 ガンなど生活習慣病を撃退! ・カロチノイドでガンを未然に防ぐ ・各種カロチノイドのもつ特異性 ・α‐カロチンの発ガン抑制効果 ・リコピンの発ガン抑制効果 ・その他のカロチノイドも発ガン抑制 ・複合カロチノイドの発ガン予防効果 ・糖尿病や血管障害を予防する 第3章 カロチノイドは目の障害を改善 ・活性酸素がもたらす目の病気 ・失明の恐れもある黄斑変性症とは ・眼に存在するカロチノイド 〈コラム「加齢老化」と「光老化」 第4章 無理なく効率よく摂る方法 ・偏食は禁物、野菜は調理して量多く ・カロチン不足を補うには 【ハート出版ふるさと文庫】各種カロチノイドはガン・眼病対策に効果あり
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